父が亡くなりました。母が相続すれば配偶者控除の特例で相続税は安くなりますか？ | アスモア税理士法人は、福岡で経営者の志を共有する税理士事務所です。

まずは、配偶者控除の特例がどのような制度なのかみていきましょう。

配偶者控除とは、夫婦のどちらか一方が亡くなって、
その配偶者が遺産を相続することになった場合には、
配偶者の老後の保障等を考慮し配偶者にだけ特別に認められた制度です。

具体的には、遺産全体の中で配偶者が相続する財産の額が、
次のいずれか高い方の金額までは税金がかかりません。

1　１億６０００万円
2　配偶者の法定相続分

つまり、配偶者の法定相続分が３億円であれば
３億円まで相続しても、相続税はかかりません。
また、法定相続分が1億円の場合に
１億６０００万円相続しても、相続税はかかりません。

相続税の配偶者控除は、婚姻の届出さえしていれば
適用されますが、注意点があります。

それは、配偶者控除を受ける場合は申告期限までに
配偶者の相続分を決め、申告書を提出しなければなりません。
遺産分割に時間がかかり相続分が決まらない場合は
税務署長の承認を受け救済措置の適用を受けなければなりません。

ここまでの、説明を読んでいただくと相続税の配偶者控除を
上限まで活用した方が相続税は少なると思いますよね。

この一回の相続だけで考えるならば正解です。

しかし、相続をした配偶者が亡くなった場合の事まで
考えて配偶者の相続分を決める必要があります。

配偶者控除に頼り切っていたばっかりに、
相続税全体が過大になる可能性もあります。

相続税は将来のことまで考えて対策する必要があります。
対策によって税額が大きく変わります。

相続税の相談は知り合いや最寄りの税理士に相談しましょう。

（平成２９年６月２８日）