話し合いのもとに遺産分割協議が終了し、相続財産を相続する人が決まってもそれだけで、そのまま自分のものになるわけではありません。
自分のものとするためには名義の変更手続きが必要となります。
相続財産の名義変更期限に特に期限は設けられていませんが、後のトラブル防止のためにも早めに行うことをお勧めします。
被相続人の名義である預貯金は、遺産分割協議がまとまっていない時点で一部の相続人が預金を勝手に引き出すことが禁止されています。
このため、被相続人の死亡を銀行などの金融機関が確認すると預金の支払いが凍結されます。
このように凍結された預貯金の払い戻しができるようにするためには、遺産分割協議書を作成する必要があります。
ほとんどのケースは預貯金だけでなく、不動産なども発生することがありますので、しっかりと遺産分割協議書を作成する必要があります。
また、亡くなった人と、相続人全ての戸籍を集める必要があり、これらは煩雑な手続になります。
遺産分割協議書を作成する上では戸籍を収集し、相続人を確定するという作業が必須です。
※遺産分割協議書の詳細についてはこちらをご覧ください。
遺産分割をどのように済ませたかにより、手続きは異なりますので事前に
しっかりおさえておきましょう。
※その他、金融機関により必要とされる書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせて確認する必要があります。
銀行などの相続手続では、
①「被相続人(亡くなった方)の生まれた時から亡くなるまでの連続した全ての戸籍」と、
②「相続人の現在の戸籍」を用意するように指示をされます。
例えば、「私は亡くなった父の唯一の相続人です」と窓口の方に言ったところで
相続の名義変更は行われないのです。
さらに、相続人がたとえ一人であると予測されたとしても
戸籍によって相続人を確定する必要があります。
中には、子どもは自分だけと思っていても、戸籍を取り寄せたら実は別の女性との子どもがいたなど、思いもよらない相続人が発生する場合があるからです。
したがって、たとえ相続人があなた一人であったとしても、『戸籍』によって、
“相続人があなた一人である”という事実を証明して手続きを進めていく必要 があります。
相続するしないに関わらず、遺産の大小に関わらず、相続には戸籍が必要になるとお考えください。
相続手続の場合は、収集した戸籍から次に取るべき戸籍の本籍地や筆頭者を読み取るという作業が求められます。
つまり、戸籍の読み方というものを取得する必要がありますので、とても負担のかかる作業といえます。
相続手続きに必要な戸籍の収集では、別々の役所へ請求する事が当然となりますので、基本的に、すべて郵便による請求になります。
そして戸籍も一種類だけでなく、「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」などといったものも必要になりますので、詳しい知識が要求されてしまいます。
今回紹介したケースはごく一般的なものですが、それだけでも複雑な手続を要します。
長い時間と労力をかけてご自身で取得されると確かに費用も最低限で済みますが、その分多くの時間(勉強の時間、書類収集の時間)を消耗してしまいます。
これらの名義変更は煩雑な手続ですので、間違いのないよう一度専門家に相談することをお勧めします。
法務局で登記簿を閲覧すれば、誰でもその不動産が誰の所有になっているか、担保などが付いているかどうかを確認できます。
相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続きをしなくてはなりません。
不動産名義を変更しないと、後々トラブルになることがありますので、できるだけ速やかに行ってください。
おおよそ、以下の手順で行います。
遺産分割協議の終了 |
||
---|---|---|
登記に必要な |
登記に必要な書類は、どのように遺産分割の協議が行われたかによって異なってきます。 | |
1)法定相続人が一人の場合または
|
2)遺産分割協議で決めた割合で
|
|
登記申請書の |
登記の申請書を作成する場合の詳細は、状況によって複雑に変化します。 司法書士に依頼する方が、正確かつ速やかに実行できることでしょう。 ご相談いただければ提携司法書士のご紹介もいたします。 |
|
法務局への |
登記の申請書に集めた書類をまとめ、相続する不動産を管轄する法務局に登記申請をします。 提出した書類に不備がなければ1週間程で登記が完了し、不動産の名義が変更されたことになります。 <登記の費用について> 登記を申請する際には税金(登録免許税)の納付が必要になります。 |