遺産の分割は協議によって決めるが理想的です、相続人全員が納得するように分けのは難しいものです。
「うちは財産がないから遺言なんて関係い」
とう方からの遺産相続に関するトラブルが急増しています 。
将来のトラブルを未然に防ぐためも、財産額に関係なく、遺言書をご準備されることをお勧めします。
遺言はご自身が以下のケースに該当する場合には、遺言を作成し、
不要なトラブルを回避させることが重要です。
遺言書を作成しておくメリットを 2つ 挙げます。
法定相続人による遺産分割協議が不要になる遺言がない場合、原則として亡くなった方の相続人が遺産相続に関して協議を行い、協議が整えば遺産分割が行われます。
遺産分割協議で一番大変なことは、相続人全員の足並みを揃えることです。
一人でも不同意な者がいれば、骨肉の争いとなり、いわゆる遺産相続争いにつながりかねません。
遺産相続で、争いになってしまう多くのケースが、「私と私の子どもには、遺言書なんて必要ない」と安易に考えて、遺言書を残さなかった方の場合に多いのが、実情です。
そこで、自分の死後、残される財産に関して相続人に「どのように遺産分けをして欲しいか」を明確に書きとめておけば、こうした遺産相続争いを防ぐことができます。相続争いは、自分の子供以外にも、子供の配偶者やその両親、または相続人となった自分の兄弟やその関係者など、様々な人間関係が絡んできてしまうのが、その複雑たるゆえんです。ですから、遺言書は、親族間の全員の平穏を導く保険とも言えると思います。
自分の好きなように遺産分割をして欲しい場合、遺言書を作成し、充分な生前対策を行う必要があります。 これがしっかりと出来ていれば、ほとんど自分の好きなように財産を相続させることができます
遺言は、自分の財産を託す法的な手段として、生前に行われるものであり、遺言書には通常
以下の通り3種類があります。
※遺言は文字で残すのが原則で、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープなどは認められていません。
※遺言は共同で作成はできず、必ず個人単位で作成しなければなりません。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自筆証書遺言 本人が本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印した方式。 |
・費用が掛からない ・遺言内容の秘密が確保できる ・遺言したこと自体を秘密にできる |
・遺言者にとっては遺言内容の実現が不確実 ・見つけられなかったり、破棄されるおそれがある ・開封時、遺族は家庭裁判所の検認が必要 ・検認を経ないで遺言を執行すると5万円以下の過料に処せられる |
公正証書遺言 本人が公証役場に出向いて、公証人に作成してもらう遺言で、公証役場にて保管をしてもらう方式。 |
・あらかじめ公証人により違法や無効がないことをチェックされているため、最も確実に遺言を残すことが出来る ・開封時の家庭裁判所の検認が不要(手続きや費用が浮く) ・遺産分割協議が不要 ・公証役場に原本が保管されているので、正本、謄本を紛失しても再発行請求ができる |
・費用が掛かる(公証人手数料) ・内容を公証人と2人の証人(計3人の他人)に知られる |
秘密証書遺言 公正証書遺言と同様に、公証役場で作成します。ただし、遺言書の内容を密封して公証人も内容を確認できません。 |
・遺言内容の秘密を確保できる |
・費用が掛かる ・開封時、遺族は家庭裁判所の検認が必要(検認を経ないで遺言を執行すると5万円以下の過料に処せられる) ・遺言したこと自体は公証人と2人の証人(計3人の他人)に知られる ・自分で保管するため、紛失・盗難の恐れがある |
遺言書は相続人に見つけてもらわなければなりません。
そのため、遺言書は遺言者が亡くなった後に相続人らがすぐにわかるような場所で、
かつ隠されたり、改ざんされる心配の無い場所に保管しておく必要があります。
そのためには、
・公正証書遺言で公証役場に保管をしてもらう
・司法書士や弁護士などの国家資格者に保管を頼む
・自筆証書遺言を利害関係のない公正な第三者に預ける
などの方法があります。
遺言書が見つかった時点で速やかに、家庭裁判所へ持っていき検認を受ける必要があります。
(検認とは、遺言書の形式や状態を調査して、その結果を検認調書という公認文書にしてもらうこと。)
公正証書遺言は公証人に作成してもらった時点で公文書扱いとなりますから、検認の必要はありません。
検認を受ける前に未開封の遺言書を開封し、偽造、改ざんすることは厳重に処罰される禁止項目です。
遺言そのものが無効になることはありませんが、相続人に刑事罰である過料が科せられるほか、相続欠格として相続権を失うこともあります。
もし遺言書が2通以上見つかった場合は、日付の1番新しい遺言書が有効とされます。
日付は記載されているはずですが、開封することはできないので、見つかった遺言書はすべて家庭裁判所に持ち込むことになります。
遺言書を実現するにはさまざまな手続きがあり、遺言ではそれを執行する遺言執行者を指定できることになっています。
遺言執行者は誰がなってもかまいませんが、法律の知識を要するので専門家に依頼するのが通常です。